LaTeX と typst の比較

高校数学資料(授業プリント)をコンピュータで作るにあたっては,数式や図表を扱えるソフトウェアを使わねばならない。 オープンソースソフトウェアの中では,とくに LaTeXtypst が知られている(ほかにも SATySFi が知られるが,高校教員が実地で使うにはまだ情報が少なかろう)。 ここでは,組版ソフトウェアについての知識を前提とし,主に高校数学資料を作る観点から,LaTeX と typst それぞれの特徴を考える。

横書き文書の句読点

高等学校の数学科教育における横書き文書の句読点について考える。さらに,感性の度合いが大きくなるものの,併せてその他の横書き文書についても思い見る。

先に,日本語は句読点に寛容であり書き手が思うように使えばよいことを申し添えておく。この記事は,私がどのような句読点を選んだかの記録に過ぎない。

LaTeX の執筆環境を TeXworks から VSCode へ

TeX Live によって LaTeX を導入すると,標準のエディタとして TeXworks がついてくる。私は長らく TeXworks で不満なく教材を書いてきたが,VSCode の入力支援やダークモードは評判がよいため,乗り換えてみることにした。

ここでは,高等学校数学科教員としての立場から,講義資料(授業プリント)を念頭におき,VSCode による LaTeX 執筆環境をどう整えたかをまとめる。

日本の教育における数学的表現

英語圏において標準的な数学的記法と,日本の教科書において標準的な数学的記法には,いくつかの違いがある。 これによって,LaTeX や typst といった組版ソフトによって高等学校・中学校向けの数学に関する教材を書くときには,気を配らねばならない。 それらの違いについて,簡単にまとめる。

There are some differences between the standard mathematical notation in English and in Japanese high school. This means that we have to be careful when writing educational materials on mathematics for junior/senior high schools using typesetting software such as LaTeX/typst. These differences are briefly summarised below.

Typst を試す・学ぶための記事

2023年に発表された組版ソフト typst が使いやすく楽しそうである。これを試す・学ぶための記事をまとめる。まだ日が浅いため,これからも詳しい記事が増えるだろう。

インストールが易しいこと・原稿を書くとリアルタイムでプレビューされること・短縮記法(>= で ≧ と入力できる,など)が使えることなどがよく挙げられる利点である。

LaTeX 導入・学習へのリンク集

私は高校数学の教材(授業プリント)を LaTeX によって作っており,高校数学の教育環境をよりよくするために,LaTeX を広めたいと考えている。 ここでは,高等学校数学科教員の立場から,LaTeX を用いて文書が作成できるようになるまでの導入方法と,LaTeX を用いた教材作成をより豊かにする記事へのリンクをまとめる。

記事の利用

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