PandocでMarkdownから業務文書.docxを作る

目次

業務文書を Markdown で書き、pandoc によって Word ファイルとして出力するにあたっての整形用テンプレートを公開する。Markdown では文書の内容や構造(見出し・強調といった抽象的な指示)のみを扱い、文書の見映えは pandoc に任せることができる。これによって、Word 文書を作るときにありがちなお節介によるストレスを避けることができる。Markdownはテキストエディタによってテキストファイルとして書けるため、Microsoft Wordの将来の価格・存続にかかわらず保存できる。

次のような読者を想定する。

  • Pandocの導入が済んでいる。
  • Markdownの記法を知っている。

職場のPCでインストーラが使えないとしても、リリースページで .zip 形式を選んでダウンロードすれば、インストール不要で動かすことができる

背景

私は教員として働いている。 職場では、業務にかかる文書は Microsoft Word で作ることが暗黙の了解となっている。しかし、 Microsoft Word は重さ・お節介・保守性などの面で気になる点がある。また、もしも社会情勢上または職場環境上の理由から Microsoft Word が使えなくなったとき、失われるものは計り知れない。

そこで、Microsoft Word は出力結果にとどめ、テキストデータとして文書を作るための環境を整えたい。

解決

ダウンロード

Markdown で書いたものを pandoc で Word 形式にするためのテンプレートファイルとバッチファイルである。

  • 2024-11-02版
    • 用紙サイズを B5 判から A4 判へ変更。それに伴いフォントサイズを変更。B5 印刷は、プリンタの出力用紙機能または PDF を経由することを想定している。
    • ヘッダ・見出しをはじめとするプロポーショナルフォントを等幅フォントへ変えた。
    • 見出しの体裁を変えた。
    • Document (Modern) において、Author と Date の位置を変えた。
    • Document (Modern) において、偶数ページと奇数ページの体裁を揃えた。
  • 2022-07-29版
    • 初めて公開する版である。

仕様

  • BIZ UDフォントを既定としている。
  • 強調は日本語らしい設定にできていない。出力したファイルをWordで開くと、スタイルの欄に__emという名のスタイルが用意されている。これを使ってもらいたい。
  • 箇条書きは適切に設定できていない(compactスタイルを書き換えることで実現しているため)。本来のcompactスタイル用途としては、代わりに_originalcompactスタイルを使うことができる。また、箇条書きのネストもうまく働かない。第2階層以降は、「インデントを増やす」により手動で調整する。
  • 日本語と英語・数字の間は自動調整しない。ベタ組の仕上がりを優先している。

補足

フォントのライセンス

既定としている BIZ UD フォントは SIL Open Font License 1.1[^SIL] で公開されている。出来あがったものを web にアップロードするにあたってもフォントの心配はない。

BIZ UD フォントの解説・ダウンロード方法については次の記事が詳しい。

参考

導入と基本的な使用

知見

フォント

  • https://tanukifont.com/sil/
    • たぬき侍
    • 「SILオープンフォントライセンス」って何?という方のためのざっくり解説
    • たぬきフォント
    • 参照 2022-07-29

改訂

  • 改訂: 2024-11-02
    • md2docx_20241102.zip を公開した。
    • Pandoc 本体の .zip 配付について触れた。